第9 記録の読み方
1 読む順序
(1)問題文
争点が書いてある。
(2)起訴状
5W1Hをチェックする。
だれが(被告人の氏名),いつ,どこで,誰に・何に対して,どのように,何をしたか?
(3)証拠等関係カード
①どんな証拠があるのか
②どんな間接事実があるっぽいか
(4)記録本体
記録本体の検討順序としては,①最初から読む(王道),②被告人の尋問から読む,がある。
②は,争点や重要な点が早期につかめるという点ではよいが,はじめに先入観を持ってしまって,適切に証拠を読めない危険性があるという点ではよくない。
2 付箋の使い方
(1)付箋の機能
刑裁起案の記録は,100頁程度ある。ただ読んでいるだけでは,どこに何が書いてあるのか,わからなくなる。そこで,付箋を使う人が多い。
付箋の機能としては,①インデックスとして,②重要箇所のブックマークとして,という二つがある。
(2)インデックス
証拠書類,尋問調書等のインデックス。
これは,やった方がよいと思う。
付箋には,証拠の種類(実況見分調書,捜査報告書,KS,PS,尋問調書など)と,誰の供述か,証拠作成の日付,あたりがわかる程度の情報を書いておくとよい。
(3)重要箇所
使えそうな事実の箇所に付箋を貼る方法。
使えそうな事実は記録中にちりばめられているので,すべての箇所に貼っていると,何が何だかわからなくなるのが欠点。
重要箇所は,メモ用紙にメモしておく方がいいかもしれない。
3 メモの取り方
間接事実ごとに,上記の図を作るのがおすすめ。
紙を横向きに使い,左に「犯人・事件」,右に「被告人」,真ん中に「○○(痕跡っぽい核となる事実)」を描いて,その間をつないでいく。
これがほぼそのまま起案構成になる。